●旭川医科大学(国立)
1973年に開学された医学部のみの医学系単科大学です。1996年には看護学科を設置し、地域医療を担う高度な知識を持つ人材の育成を行っています。TVドラマ「風のガーデン」では麻酔科が医学的指導を行いました。
開学への道のりは1960年に遡ります。道東地区の医師不足や無医村解消を目的に、医科大学の設置が検討されました。当初、釧路市と旭川市で誘致争いとなりましたが、最終的に旭川への設置が決定されました。「地域医療に根ざした医療・福祉の向上に貢献する医療者を育てる」理念のもと、授業では早くから実践や体験学習を取り入れています。1, 2年次には介護や養護施設で体験実習を行い、チーム医療の実践、コミュニケーション能力の向上を目指します。
現役講師を招聘して地域医療の実践現場を学ぶ機会も用意しています。4年生後期からは附属病院で臨床実習を行い、実践能力の研鑽に力を入れています。
そのほか、近年少なくなっている寄生虫学講座を開講しており、北海道ではキタキツネが媒介して問題となっている寄生虫「エキノコックス」の研究を行っています。
2007年には、就任した吉田晃敏学長が日本初の遠隔医療センターを開設し、マサチューセッツ州知事賞を受賞しています。吉田氏は通信回線等を用いた遠隔医療システムの第一人者で、その仕組みを利用してインターネット上で健康情報が取得できる「北海道メディカルミュージアム」(https://oic.asahikawa-m ed.ac.jp/web/oic-user/home)も開設されました。このサイトでは健康セルフチェックや医師陣のライブ講演など、多彩なコンテンツが無料で受けることが出来、道民の健康意識の向上に役立てられています。
広大な面積を持つ北海道では医療格差が問題となっており、この遠隔医療システムの発展は地域存続の点でも期待を集めています。
旭医大は国公立大学医学部の中では受験時の偏差値が低めですが、C B T(5年次への進級試験)や医師国家試験の成績は良好です。キャンパス周辺に娯楽施設等がないので、勉強に集中できる環境が要因と言われています。
旭川医科大学
〒078-8510 北海道旭川市緑が丘東二条1-1-1
TEL:0166-65-2111
http://www.asahikawa-med.ac.jp/