1960年に設置された私立大学です。運営する学校法人酪農学園は、大正初期に北海道を襲った冷害凶作で疲弊した農民を救済しようと、敗戦から復興したデンマークにならって昭和8年に北海道酪農義塾を開きました。「健土健民」、「三愛主義」、「実学教育」の理念で、報徳思想をもつ農業人を数多く輩出してきました。三愛主義とは、キリスト教に基づく「神を愛し、人を愛し、土を愛する」精神のことで、それに基づいた健全かつ良識ある社会人の育成、豊かな情操と国際的な視野を持つ実践者の育成を目標としています。
単独の私立大学ものとしては農作地や放牧地を含め日本最大の面積を持つキャンパスです。
キャンパス内は、牛舎など飼育施設以外は一般人も自由に立ち入ることが可能で、緑あふれる風景は第16回江別市都市景観賞の特別部門にも選ばれました。野幌森林公園に隣接していることもあってか、犬の散歩をしたり敷地内で遊んだりする子どもたちなど市民の憩いの場所としても親しまれています。エゾリスやアカゲラなど野生動物を観察することも出来、敷地内の標識には「トラクター優先」「制限速度20ｋｍ/ｈ」の文字があるのがユニークです。
2011年度にこれまでの学部制を廃止し、2学群5学類体制に改編されました。この制度は1年次に共通の基礎科目を学び、2年次から希望するコースへと進級します。科目選択の幅が広がり、学生の適性や可能性を伸ばす新制度として導入する大学が増えています。
学内のみならず、札幌圏の大学・短期大学とで単位互換協定を結んで、相互理解や知識教養の拡充も推奨しています。そのほか海外（北欧圏・アメリカ）の大学や、円山動物園・旭山動物園・北海道立食品加工研究センター・札幌市公園緑化協会などの企業団体と協定を結び、技術・研究について協力しています。
かつて目標としたデンマークは国土に鉱山がひとつとしてない資源の乏しい国でした。しかし現在農業振興と自然エネルギー利用で自給率100％を果たし、日本よりも高い国民所得を得ていることは、日本にとってまた未来への大きな目標となることでしょう。開学から80年を経て、日本の酪農・農業の可能性を広げる酪農学園大学の実践はさらなる進歩を見せようとしています。
酪農学園大学
〒069-8501 北海道江別市文京台緑町582番地 TEL：011-386-1111(代)
http://www.rakuno.ac.jp/