●北海道大学（国立）
札幌市内中心部に位置する国立大学。旧帝大の流れを汲み、前身の1876年（明治9年）設立の札幌農学校を含めるとその歴史は140年近くにもなります。
基本理念は「フロンティア精神」「実学の重視」「全人教育」「国際性の涵養」で、前身の札幌農学校の影響を受けています。特に、初代教頭のクラーク博士（「B oys, be am bitious」と説き羊ヶ丘展望台の銅像にもなりました）のキリスト教精神を基礎とした教育により、新渡戸稲造、内村鑑三など、クリスチャンとして洗礼を受けた学生もいました。
水産学部3-4年次は函館キャンバスで学び、それ以外の全学部は札幌キャンバスで学んでいます。
学部は文学部・教育学部・法学部・経済学部・理学部・医学部・歯学部・薬学部・工学部・農学部・獣医学部・水産学部と多岐にわたり、国立大学では最多です。
農学部・獣医学部は広大な農地や研究林・植物園をキャンバス内に持ち、国内屈指の研究環境といえるでしょう。全国各地の農学部関連施設を含めると、敷地合計は約70,000haにもなり、国土の約570分の1に相当します。もちろん他の学部も道内トップクラスの研究実績を有します。2010年には、鈴木章名誉教授がノーベル化学賞を受賞し、日本中を沸かせました。
卒業生には、研究者・政治家へ進んだ者が多く、道内の大学学長、道内の市長・町長の多くも北大卒業生です。マスコミ関係者では、N H Kアナウンサーの北海道出身者は北大O Bが多いようです。
1992年、スペースシャトルエンデバーに日本人初の宇宙飛行士として搭乗した毛利衛さんは理学部を卒業。助教授として母校でも教鞭をとっていました。
毛利氏は余市町の生まれで、満天の星空を見て育ちました。理科が好きだった毛利少年は、やがて宇宙に想いを馳せるようになったそうです。
エベレストを最高齢で登頂し話題となった登山家の三浦雄一郎さんは獣医学部卒。お父様の三浦敬三氏は帝国大学時代の農学部卒業です。
北大の魅力のひとつにキャンバスの広大さがあります。札幌キャンバスの敷地面積は176haで東京ドーム38個分の広さを持ちます。足を踏み入れるとポプラ並木や芝生が美しく、まるで自然公園のようです。キャンバスでは学生や市民が思い思いに過ごし、憩いの空間となっています。ガイドブックにも載っており、北海道旅行の道中で学内を散策する観光客もよく見かけます。都市中心部でこれほどの自然環境は希少で、大学としては唯一「美しい日本の歴史的風土準100選」(古都保存財団)にも選ばれています。
北大には、意外にも地元出身者は4割ほどしかいません。日本全国から進学する学生がいますので、本州から遠く離れた環境でも安心といえましょう。卒業後も、有志で集い親睦を深めています。昭和17年から続く「北大東京同窓会」は、関東・甲信越地域に在住・在勤の北大卒業生でつくられ、現在も約1600名の会員を擁しています。
都会で就職しても、奮闘する北大O Bが身近にいたら励みになりますね。あなたの近くにも元北大生がいるかも？
さて、そのような連帯感の厚さもあってか、2012年11月、日経新聞と日経ＨＲがビジネスパーソンを対象にした「卒業大学満足度調査」で、北海道大学は堂々の1位をとりました。以下、２位東北大学、３位一橋大学、４位慶應義塾大学、５位筑波大学…と続き、最高学府と呼ばれる東大は15位でした。受験生が必死で目指した東大の満足度が低いのは意外ですね。
自然豊かなキャンバスと県内随一の研究環境を持つ北海道大学であなたも学んでみませんか！